【明日のためのエコレシピ】海洋プラごみ汚染からプラスチックの使い方を考える

プラスチックによる海洋汚染は見逃せない現象になっています。世界経済フォーラムとエレン・マッカーサー財団の調査によると、2050年までに海に流れ出るプラスチックの重量は少なくとも9億3700万tにもなり、魚の重量の8億9500万tを上回ると見込まれています。海にプラスチックごみが大量に漂流したり海底に堆積したりする状態は、魚の安全なすみかを奪って海の生態系に悪影響を及ぼすだけでなく、私たち人間の生活や健康の問題にもつながります。私たちは、プラスチックとどのようにつきあっていけばいいのでしょうか。

ここでクイズです!

クイズ第1問:海洋ごみ全体のうち、プラスチックごみの割合はどのくらいでしょうか?

A:約45%
B:約65%
C:約85%

クイズ第2:2024年の日本におけるペットボトルのリサイクル率はどのくらいでしょうか。

A:約25%
B:約55%
C:約85%

※正解はページの一番最後にあります。スクロールして確認してね。


プラスチックのプラス面とマイナス面(海への影響)

プラスチックは、炭素や水素などの高分子化合物で、原油を精製してできるナフサなどから造られます。プラスチックには、軽くて丈夫、熱で自由な形に加工できる、天然資源より安価、種類によってさまざまな機能を持たせられる、着色できるなどの特徴があります。プラスチックが持つこのような特徴は、私たちの生活に大きな利便性をもたらす一方で、環境への負荷を生み出す原因にもなり得ます。
ペットボトルを例として、プラスチックの利便性と生態系への有害性を見てみましょう。

プラスチックの特徴 

【① 軽量】プラスチックは非常に軽い素材です

  

ペットボトル飲料は、容器の軽量化によって、一度に大量輸送することが可能となります。 軽量化の副作用として、空のペットボトルは風雨で散乱しやすく、河川・海へ流出、拡散のリスクが高まります。

 

【② 耐久性】プラスチックは熱や衝撃に強く頑丈です

  

ペットボトル飲料の品質は、周りの環境や天候に左右されることが少なく、いつでもどこでも問題なく飲むことができます。 頑丈がゆえに、海へ流れ出たプラスチックは自然環境中で壊れにくく、海洋生物に悪影響を与えてしまいます。

 

【③ 経済性】PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などの汎用プラスチックは安く大量生産することが可能です

  

ペットボトル容器は、安価で大量生産が可能なため、世界中に普及しさまざまな用途で使われています。 安価ゆえに、使い捨て用途のペットボトルも数多く流通し、容易にポイ捨てされるリスクが高まります。

 

【④種類の多様性】耐久性や柔軟性、耐熱性など用途・目的に合わせて多様な種類のプラスチック製品を作ることができます

  

ペットボトルは、ボトル本体とキャップでプラスチックの種類が異なります。このように異なる種類のプラスチックを使い分けることで密閉性を高めています。 プラスチックの種類によっては長年にわたり分解されず、波や紫外線の影響で劣化して細かくなったマイクロプラスチックになり、海洋生物の体内に取り込まれるものもあります。

 

【⑤ 色の多様性】プラスチックは透明に加工することもでき、また、着色も容易です

  

ペットボトルは、ボトルは透明、キャップには着色をすることで、商品のデザイン性が高められています。 透明や半透明のプラスチックは、海中ではクラゲなどの生物と見た目が似るため、海洋生物が誤って食べてしまうなど、生態系に影響を及ぼします。

 

このようにプラスチックならではの特徴が私たちの生活を豊かにしている一方、環境に大きな影響を及ぼす側面があることも事実です。
そこで、ペットボトルを上手に使い続けるために、ペットボトル飲料メーカーはペットボトルの回収とリサイクルを促進しています。

ペットボトルのリサイクル

日本のプラスチック全体のリサイクル率は約25%でまだ低いですが、ペットボトルは、PETという単一の種類で作られており分別がしやすいためリサイクルが進んでいます。2024年度の再資源化率(ペットボトルとして販売された量に対してリサイクルされた量)は約 85% に達しています。
リサイクル率の算出|統計データ|PETボトルリサイクル推進協議会

まとめ 

プラスチックは「使わない」のではなく、「繰り返し使う」時代へ

プラスチックは安くて利便性の高い素材です。一方で、その特性が環境汚染の原因になることもあります。

重要なのは、プラスチックを「使わない」ことではなく、正しく使い、回収・リサイクルを進めることです。
ペットボトルのように、分別しやすく再資源化が進んでいるプラスチックもあります。こうした成功例を参考に、使う量を必要最小限に抑えつつ、適切な回収・リサイクルを徹底することで、利便性を損なわずに環境への有害性を減らすことができます。

RECIPE×SDGs

便利さは環境リスクと表裏一体

~「使って→分別して→リサイクル」まで責任を持とう~
使った後、正しく分別してリサイクルすることで、プラスチック資源を継続的に利用することができます。

SDGs目標12

~プラスチックごみを増やさないようにポイ捨てはやめよう~
ウミガメの鼻にプラスチックストローが刺さっている動画を見たことが有る人は多いのではないでしょうか。今もどこかに苦しんでいるウミガメがいるかもしれません。
プラスチックは海の中で分解されにくく、またマイクロプラスチックとして残り続けます。


クイズの正解

~第1問の正解~

C:約85%

国連環境計画(UNEP)は、「プラスチックは海洋ごみの中でも最も量が多く、最も有害で、最も分解されにくいものであり、海洋ごみ全体の少なくとも85%を占めている」と指摘しています。
https://www.unep.org/interactive/pollution-to-solution/

~第2問の正解~

C:約85%

PETボトルリサイクル推進協議会の調査によると、2024年度のペットボトルの販売量652千トンに対して、リサイクル量は555千トンでした。この結果、85.1%のペットボトルがリサイクルされていると算出されています。
リサイクル率の算出|統計データ|PETボトルリサイクル推進協議会