10月1日施行 改正バーゼル法

経済産業省と環境省により行われた、改正バーゼル法(本年10月1日施行)の説明会に参加しましたので、その概要をご紹介します。

そもそもバーゼル法とは

有害廃棄物の越境移動及びその規制について国際的な枠組みを定めたバーゼル条約(※)を担保するために制定された日本の法律で、具体的には以下の内容です。

✔ 輸出前の事前通告
✔ 相手国の同意取得
✔ 移動書類の携帯
(移動開始から処分まで)
✔ 不法取引の場合の輸出者の引き取り義務
(再輸入、処分等)

 

 

改正に至った背景と問題

<輸出面の問題>

・有害物質を含む電気電子機器やプラスチックなどが雑多に混じった未選別の廃棄物いわゆる「雑品スクラップ」の不適正な保管による火災が多発しています。

 

・日本のバーゼル法では規制対象でないとして輸出した貨物が、相手国では規制対象であるとして返送(=シップバック)の通報が相次ぎ、国際的なトラブルに発展しかねない状況です。原因は日本と輸出先との有害廃棄物の定義が不一致であることです。

 

<輸入面の問題>

・EU諸国は全ての外国からの廃電子基板(有害性の低い物)を規制に縛られず輸入可能ですが、日本は途上国からの廃電子基板の輸入はバーゼル法の手続きが義務になっているため、国際的な資源獲得競争が激化する中、日本企業は不利な立場にあります。

改正の6つのポイント

【輸出面】

改正の目的 → 輸出先国との国際トラブルの防止

【輸入面】

改正の目的 → 日本の先進的な環境技術を活かし世界の環境負荷低減に貢献する

※グリーンリスト対象物とは・・・OECD理事会が定めた、比較的有害性が低いとされる廃棄物

 

参考情報

バーゼル法関連簡易該非判断システム <経済産業省>
(バーゼル法の規制対象となるか否かの判断の目安)
http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/10/bsimple_judgmentsys/

バーゼル法のQ&A <経済産業省>
http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/admin_info/law/10/bsimple_judgmentsys/q-a.html#qa01

次回以降のコラム

今回の改正バーゼル法の施行には経過措置(手続き等の猶予期間)が設けられていないため、雑品スクラップの輸出事業者は至急の対応が求められます。また排出事業者には輸出事業者への雑品の売却に伴う法的リスクも考えられます。これらの雑品スクラップの今後について次回以降のコラムで発信予定です。

また、10月18日に本件をテーマにしたセミナーを開催しました。ご関心のある企業様は引き続きお問い合わせください。

【満員御礼】2018年10月18日 雑品に関するセミナー&工場見学会
https://www.re-tem.com/ecotimes/seminar/20181118/

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2018.9

 

平成30年9月25日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

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