読み解く!廃棄物処理法(19) ~PCB廃棄物の取扱い~

今回のコラムでは、最近多く、新聞やニュース等で取沙汰されているPCB廃棄物の不適正処理に関する記事をご紹介し、またそのPCB廃棄物における法令等の全体像、適正保管についてもご紹介します。

PCB廃棄物に関する直近のニュース等

◇和歌山市がPCB含む蓄電器を誤廃棄(2014.8.21)

有害物質の「ポリ塩化ビフェニール」(PCB)を含む蓄電器2台を誤って溶解処分したとして、和歌山市は20日、水道局企画建設課の技術主査(42)と上水道管理事務所の班長(49)と所長(57)をそれぞれ戒告の懲戒処分にした。監督責任を問い、企画建設課長(57)も訓告処分にした。

(つづきは以下の朝日新聞で)
http://www.asahi.com/articles/ASG8N520TG8NPXLB00D.html

◇岡山の中学でPCB紛失し虚偽報告 市教委、担当職員処分も検討(2014.7.19)

岡山市教育委員会は18日、同市内の中学校で廃棄のために保管していた有害物質のPCB(ポリ塩化ビフェニール)を含む高圧コンデンサーを6年前に紛失していたと発表した。市教委の担当職員が紛失を報告せず、「保管している」と虚偽の報告書を5年間にわたって市に提出していた。県警が捜査を進める一方で、市教委も担当職員2人の処分を検討している。

(つづきは以下の産経ニュースで)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140719/oky14071902220001-n1.htm

◇有害物質のPCB廃棄物を紛失 伊賀市が公表(2014.5.2)

保管していた有害物質のポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物が一部不明になったとして、伊賀市が5月2日、県条例に基づく紛失届を提出したと発表した。
所管する市管財課が午後4時から記者会見を開き、経緯などの説明し、謝罪した。2012年度実施の市役所北庁舎解体工事で、1階の電源室内で保管していた9つあるPCB廃棄物のうち、廃高圧コンデンサー2台が今年3月の確認時に紛失していることが判明したという。PCBが含まれている絶縁油の量は1つが9リットル、もう一つは19リットル。

(つづきは以下の伊賀タウン情報で)
http://www.iga-younet.co.jp/news1/2014/05/pcb.html

というように、直近4ヶ月で3件ものPCB廃棄物の不適正処理がニュース等で取沙汰されています。
昨年だったと思いますが、大手自動車メーカーでもPCB廃棄物の誤処理もニュースになっていました。
このようなことは、それらの対象物は「PCB」との表示もなかったりしますので、ある意味ムリもないと言うことになるかもしれませんが・・
(しかし、誤処理が発覚したときはこのような記事になってしまいます・・)
また、このような対象物、PCBとの認識があったとしても、保管されている場所が地下の奥の方にあったりと、なかなか足を踏み入れない場所にあったりしますので、台帳と実数の照合確認がままならないというのもあるかもしれません。。
(しかし、紛失のようなことがあるとこのような記事に・・)

PCBに関する法規制の全体像

次に、少し視点を変えて、PCB規制の全体像について以下にご紹介します。

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このようにPCBを取り巻く法体系の全体像を見ると、ご覧のとおり法令が多岐にわたり、さらにPCBの管理等を複雑にしている感があります。

PCB廃棄物の適正保管について

また、PCB廃棄物の適正保管について、以下のように管理することが望まれます。

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この適正保管には、以上のような廃棄物処理法で定められている保管基準とともに、PCB特措法で定められている年に一回の届出義務があります。

これらのように、PCB廃棄物は多額な費用の処理がかかってしまうのに、余計なリスクも多大になってしまうということがあります。
もしPCBの管理についてお困りなことがありましたら、リーテムの坂本までお問い合わせいただければお答えさせていただきます。

平成26年9月22日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)池田翠