今春の4月1日施行の廃棄物処理法改正の「まとめ」です。(よって、電子マニフェストの一部義務化など、施行日が先の項目については除外とします。)
①有害使用済機器の適正な保管等の義務付け
■規制対象「物」・・
・家電リサイクル法4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)
・小型家電リサイクル法28品目(パソコンや掃除機など、(簡単に言うと)家庭でコンセントに差し込んで使う家電類)
※バーゼル法について・・
下記、規制対象の「バーゼル法による規制」では、上記の32品目に加え、32品目の業務用機器、給湯器、配電盤、無停電電源装置(UPS)、冷却用コンプレッサー(黒モーター)を規制対象とする予定
■規制対象・・
この有害使用済機器の対象となる事業者は、以下のいわゆる雑品スクラップ業者のみが対象となり、ケータイショップや不用品回収業者、産廃業者などは対象になりません。
◇背景
・港湾・船舶などで金属スクラップが全国各地で火災が頻発
・ヤード業者による家電を破壊し、鉛等の有害物質を放出
・バーゼル条約
■保管にかかる規制
有害使用済機器の内部には、有害物質や油などが含まれており、飛散、流出、火災のおそれがあるため、以下のような保管が必要になります。
①囲いの設置
②保管ヤード付近の掲示板の設置
③土壌・地下水汚染防止
④保管の高さ5m未満
⑤飛散流出に関する必要な措置
⑥生活環境の保全、公衆衛生の保全等
⑦火災・延焼防止
■処分にかかる規制
処分を行う場合は、飛散、流出、騒音、振動、悪臭等の防止、周辺の生活環境保全支障がないような措置を講ずる必要があります。
①飛散流出防止
②騒音・振動等の防止
③火災防止等
④維持管理
■届出
有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者(産廃業者などは除く)は、管轄する都道府県知事に届け出なければなりません。しかし、「届出」というものの、「申請」に準ずる手続きになろうと推測されます。
※期限・・法改正の経過措置として、半年間の猶予期間あり、平成30年9月末日まで
詳細は12月号増刊号を参照してください。
https://www.re-tem.com/ecotimes/wp-content/uploads/sites/2/2017/12/newsletter201712_extra.pdf
②親子会社間による産業廃棄物の処理にかかる特例
2以上の事業者の親子会社などが一体的経営を行い、かつ産業廃棄物の適正な収集、運搬、処分ができる事業者である等の基準に適合するとして、都道府県知事の認定を受けた場合には、その親子会社は廃棄物処理業の許可を受けないで、相互に親子会社間で産業廃棄物の処理を行うことができることされた。
③許可取消し等に伴う処理困難通知の義務付け、及び必要な措置
産業廃棄物処理業者(特管含む)が、許可を取り消されたとき等において、その産業廃棄物の処理が終了していない場合は、排出事業者に、その旨を通知する処理困難通知が義務付けられた。
また、不適正な保管を行っている場合などは、都道府県知事は必要な措置を命ずることができるとされた。
④罰則の強化
マニフェストの未交付、虚偽の記載の罰則として、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金とされた。
(改正前は、6カ月以下の懲役、又は50万円以下の罰金)
◇法律改正
http://www.env.go.jp/press/103794.html
◇政令改正
http://www.env.go.jp/press/105057.html
最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター 2018.3
平成30年3月20日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)加藤翠