いま知りたい“スクラップ売却”のこれから

昨年から大幅に強化された中国の金属やプラスチック材の輸入規制(2018年末で全面停止)や、本年10月のバーゼル法改正により、従来以上に廃棄物の日本国内での資源化が求められています。
今月は、バーゼル法の改正で新たに加わった関係各所へのインパクトについて、分かりやすく解説します。

日本の輸出規制

「雑品くずの取扱い・輸出」をめぐり、生活環境の保全上の支障や、不適正輸出に伴う環境汚染防止のため、いわゆる雑品スクラップ業者と呼ばれる業態の事業に関わる、2つの法改正がありました。

 

 

雑品スクラップに関連する改正バーゼル法のポイント

雑品スクラップの規制対象物が明確となり、厳しい管理が適用されます。

中国の輸入規制も踏まえた環境変化

中国では、雑品くずの受入が2018年12月末で全面禁止となります。さらに日本国内の輸出規制が加わり2019年の輸出環境は大幅に変化します。2017年には、中国等に輸出されていた約230万tの鉄と非鉄の複合物は行き場を失い、20年ぶりに国内における選別・回収などの事業に回帰せざるを得ない状況となる見込みです。
国内では、機械処理によって非鉄金属などを精緻に回収できる処理施設の増設や、適正なダスト処理技術と運用体制の確立が必要となるでしょう。

 

今後どうすべきか?

これまで、鉄非鉄複合物(小型家電含む)を企業に売却してきた設備メーカーや建物解体に携わる企業におかれては、事業環境の変化をよくご理解いただき、信頼できる国内回収ルートへの転換を早急に進める必要があると考えます。

既に、改正バーゼル法は、10月1日に施行しており、いずれ会社のコンプライアンス状況に影響を及ぼすことになります。

 

編集後記

雑品くずの商流は、直近1カ月程度で大きく変わった。さらに「輸出」の最も高いハードルは、バーゼル法改正にこそある。量的規模を踏まえると、国内処理もやがてパンクすることが明白な中、企業自らできることは、国内処理ルートへの切り替えによる処理枠の確保とコンプライアンス面の強化と言えるでしょう。

<追加情報>環境省は、10月18日、外国政府による廃棄物の輸入規制等に係る影響等の調査結果として、中国の廃プラ輸入規制の影響について、自治体及び、産廃処理施設向けのアンケート結果を公表。

http://www.env.go.jp/press/106088.html

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2018.10

 

平成30年10月25日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
小林 均
(図)加藤 翠

リーテムのサービス紹介

実務セミナー&工場見学会「いま知りたい!国内廃棄物の動向」の追加開催が決まりました。

お申込みはコチラからhttps://www.re-tem.com/ecotimes/seminar/20181018-2/