行き場のない廃プラ!チャイナショックその後の影響

2017年に始まった中国の廃棄物輸入規制。これにより日本国内に大量の廃棄物が滞留すると言われており、焼却施設などの中間処理施設、埋立処分場の許容量オーバー、処理料金の高騰など、日本の廃棄物処理・リサイクルの現場に大きな変化が起きています。今月は廃プラ処理・リサイクルに関するチャイナショックの影響の一端をお伝えします。

チャイナショック(中国の廃棄物輸入規制)とは

中国は1990年代後半から2017年まで世界の廃棄物原料を大量に輸入し、2016年はプラスチック輸入量は約700万トンを超えていました。ところが、2017年7月に廃棄物輸入規制の方針を発表しました(本コラム2017年6月-7月を参照)。“ナショナルソード(=国門利剣)”と呼ばれる中国の大規模な密輸取締りの一環によるものですが、同年末に廃プラ輸入禁止が実施され、日本を含む多くの先進国が廃プラの出口を失う問題に直面しています。

中国の状況

発表では2018年は工場で発生するロス品(=未使用廃プラ)については猶予期間のはずでしたが、輸入ライセンスは前年の1%未満しか発行されず、“実質上の輸入禁止”という結果でした。

廃棄物輸入規制の最大の目的は輸入した廃棄物の再生等に伴う環境汚染の防止であるため、今後の規制緩和は望めないと見られています。

 

第三国への廃プラ輸出の現況

中国に替わって、日本から東南アジア、台湾への廃プラの輸出量が増加しました。しかし日本で売れない廃プラの出口が見つかったと手離しでは喜べません。これらの国も次々と輸入規制に動いており、閉め出された廃プラの一部は、バングラデシュやエチオピアに向かい始めています。廃プラの輸出に伴う環境汚染が世界でたらい回しになっているとも言えます。

日本国内では廃プラ処理料金が高騰

日本国内の廃プラスチック等輸出企業では、販売先を中国から東南アジアなどの第三国へシフトした企業もあれば、日本国内で産業廃棄物として廃プラを処理委託する企業も多くあります。廃プラ処理委託量の急激な増加に対し、処理施設のキャパシティが追いついていません。中間処理施設は搬入量過多で、残業による人件費増大や、搬入待ちの長い列、処理後の出荷先である焼却施設の受入制限、処分価格値上げ等の問題に直面しているとの調査結果が出ているそうです。結果として、排出者が負担する廃プラの処理料金が高騰する事態に繋がっています。

各種リサイクル施設、焼却施設、埋立処分場の新規設置計画は各地にあるものの、直近から3年後までの処理能力は圧倒的に不足しています。

 

来月号のコラムでは、引き続き廃プラスチックに関する国内動向等をご紹介します。

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2019.4

 

平成31年4月23日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

 

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