続報 プラスチック資源循環促進法

8月23日にプラスチック資源循環促進法についての政省令(法律を施行するために制定されるルール)の内容を協議するため、経済産業省と環境省の合同主催による、10回目の専門家会議が開かれました。今年3月に閣議決定され、2022年4月1日に施行予定のこの法律の内容が、少しずつ具体的になってきました。政省令案は、このあと程なくして、パブリックコメント公募の手続きに進みそうです。

 

プラスチック資源循環促進法の特徴

プラスチック資源循環促進法(以下「プラスチック新法」)が、既存のリサイクル関連の法律(例:自動車リサイクル法、家電リサイクル法、建設リサイクル法 等々)と異なる点は主に2つあります。法律の対象と具体的な目的です。従来のリサイクル法は「製品」に焦点をあてて、使用済製品の回収と再資源化に関する関係当事者の義務と役割を定めていますが、一方、プラスチック新法はプラスチックという「素材」に着目して、プラスチック使用製品の設計・製造段階から廃棄に至るまでのライフサイクルの各段階で資源循環を促すことを目標にしています。

 

プラスチック新法は誰を取り締まる法律なのか?

プラスチック新法は、誰かの行為を禁じたり、取り締まるための規制法ではありません。その名前の一部に「促進法」という言葉があるように、各製品に使われているプラスチックの循環を促すためのものです。設計・製造するメーカー、販売者、消費者、再資源化事業者を含む、いわば国民のすべてが「他人事でなく自分の事として」参画することが求められています。多様な立場の人々が相互に連携して、プラスチックを巡る資源・環境両面の課題を解決するための、考え方やそれぞれの役割を示している法律です。ただし、一部例外もあり、プラスチック廃棄物を多量排出するにも関わらず取組みが著しく不十分な企業は勧告・公表・命令の対象となり、社名の公表などの罰則が設けられます。(※多量排出事業者とは、前年度のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量が250トン以上、となる見込み)

 

特定プラスチック使用製品と指定業種とは

消費者に無償で提供されるプラスチック使用製品のうち、下表に示す製品が「特定プラスチック使用製品」に指定されることになります。提供事業者は、有料化、使用しない消費者へのポイント還元、消費者の意思確認、繰り返しの利用などによる、使用の合理化(過剰な使用を避ける)と、代替素材への転換が求められます。また、使用の合理化が特に必要な業種として、下表右に示す提供事業者も指定される予定です。

特定プラスチック使用製品 特定プラスチック使用製品の指定提供事業者
フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、剃刀、シャワー用のキャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用のカバー 各種商品小売業、各種食料品小売業、その他の飲食料品小売業、無店舗小売業、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業、洗濯業(主たる事業ではなく、事業活動の一部で行っている場合には、その事業の範囲で対象)

 

プラスチック資源循環促進法の概要

プラスチック新法の骨子は、本コラムの4月号でもご紹介していますが、すこしずつ具体的なルールが見えてきました。4月号の内容を製品のライフサイクルの段階に分けて整理し直しました。

プラスチック新法への世の中の関心は高いようです。この法律について、本コラムで今後も取り上げて、詳しく解説しようと思います。また、当社リーテムでは企業様の産業廃棄物の広域認定の取得支援コンサルティングを行っています。同制度は、プラスチック新法の中の「製造・販売事業者等による自主回収及び再資源化の認定」と多くの部分で共通しています。ご関心のある方は弊社ホームページのサービス紹介(本ページ下部のリンク)をご覧ください。

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2021.8

 

令和3年8月30日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

 

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