デジタルの波

最近は経済ニュースでも政治家の討論の中でも「デジタル」という言葉が飛び交うようになりました。来年にはデジタル庁が創設されるとのことです。最近よく耳にするDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何か? 一方で IT化と呼ばれるのは何を指しているのか? 新型コロナウイルスの影響で様々なことがオンラインで行われるようになる中、なんとなくわかっているようであやふやなことを整理しました。

IT化ってDXとは違うの?

IT化とDX(デジタルトランスフォーメーション) は似ているようで異なるものです。IT化と言えば、頭に浮かべるのは「コンピューターや通信機器、インターネット等を活用した業務の効率化」という表現でしょう。身近な例としては、PCやタブレット、スマホを利用して、企業内や取引先との間で契約書やその他の書類、伝票などを電子化することにより押印などの手間や紙媒体を回付する時間を省いたり、グループウェアの利用等により情報共有するなどです。こうした業務改善で生じる空き時間や人材の余裕を、創造的業務に割り当てることができるようになります。まとめると「IT化」は企業内とその取引先の業務改善の手法の1つ、と言えます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。DXイコールIT化と誤解されがちですが、そうではありません。ビジネスにおけるDXは
「ITの活用を通じて、製品、サービス、ビジネスモデルや組織を変革することによって、競争上の優位性を確立すること」を意味しています。IT化が企業内の業務改善を主目的にしている一方で、DXは企業の業績向上と経営拡大が目的です。

平成30年5月に経済産業省が設置した有識者による研究会では、日本企業がDXを実現するうえでの現状の課題の整理と対応策の検討が継続して行われています。経済産業省の発表した「DX推進ガイドライン ver.1.0 (平成30年12月)」には、DX推進に向けた経営の在り方や、先行事例や失敗ケース等が紹介されています。(https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf

 

「資源循環×デジタル」プロジェクト

今後、幅広い産業においてDXが進むと見込まれる中、環境の分野でもDXに向けた動きが始まっています。環境省が主導している「資源循環 x デジタル」プロジェクトは、使用済み製品や有用資源の、国内での効率的なリユース、リサイクル促進のための「情報プラットフォーム」構築の構想です。プラットフォームには、モノのトレーサビリティやコミュニケーション促進機能を持たせるとされており、2021年度以降に具体的な実証事業が行われるようです。

 

編集後記

廃棄物処理業界は全般として他の分野に比べてアナログだと言われていますが、一部の廃棄物処理・リサイクル事業者の中には、社内のIT化はもちろんのこと、DXを成長戦略の一つとして積極的に挑戦している企業もあります。新型コロナウイルスの影響で社会と経済が大きく変化した現在、廃棄物処理業界全体が旧来の発想や習慣から脱皮し、進化しなければならないと感じます。

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2020.9

 

令和2年9月29日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

 

リーテムのサービス紹介

廃棄物一元管理サービス

https://peraichi.com/landing_pages/view/2020re/