大手カレーチェーンの廃棄される予定だったビーフカツなどの転売事件を受け、その再発防止策となる食品リサイクル法の省令改正の検討審議会が、平成28年9月8日、環境省、農水省の合同で公開形式で行われ、省令改正の骨子案、答申が示されました。
以下は、排出事業者となる食品関連事業者にかかる主な改正内容となり、いまの段階での改正骨子案をわかりやすく纏めましたので、ここに紹介します。なお、この「答申」の段階での情報は、当事者のmust事項なのか努力義務なのかなど理解するのが難しいところがありますが、以下の内容は環境省、農水省の担当官に確認した内容となりますので、正しい情報といえるものと思われます。
法改正予定の法令、省令
◇法令・・食品リサイクル法の省令である「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令」
<解説>
この省令は、食品リサイクル法の省令の改正ですので、食品リサイクルの運用上の改正となります。
したがい、食品廃棄物が焼却処分されるものは対象外となります。しかし、食品メーカーは、食品リサイクル率のノルマ(?)がありますので、多くの食品メーカーに関わることでしょう。
改正内容 (食品事業者に関する主なもの)
◇食品廃棄物の収集運搬の基準 (転売可能な廃食品の場合)
<自ら運搬する場合>
食用と誤認されないような措置
<収集運搬業者が運搬する場合>
委託内容に沿った収集運搬の確認
◇食品廃棄物の処理(再生利用(肥飼料等))の基準 (転売可能な廃食品の場合)
<自ら処理(再生利用)する場合>
食用と誤認されないような措置
<処理業者に処理委託する場合>
・委託内容に沿った処理(再生利用)の確認
・再生状況とその再生品の利用状況の確認 (処理業者の監査と再生品の利用状況の確認)
・処理方法や地域での処理費を踏まえた適正な処理費の処理業者の選定
最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
その他にも電子マニフェストの機能強化ということで、JWNETのシステムを請け負っているIBM社からもシステムの見直しを今後行っていく予定という話も審議会の中で報告しておりました。このあたりも含めて今後見守っていきたいと思います。
また、本改正は年内にパブリックコメントを行い、法改正が公布される予定であるということですので、食品事業者の方々は注視しておかれることが望まれます。
なお、引き続き、本コラムでも、動きがあり次第、ご案内する予定にしますので、引き続きご愛読ください。
平成28年9月20日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)池田翠