近年、太陽光発電設備の銅線ケーブルをはじめとするさまざまな金属物品の盗難が全国で相次いでいます。こうした被害を防ぐため、昨年9月1日に新しい法律が成立し、本年6月1日に全面施行されました。本記事では、施行の背景と共に、事業者に求められることは何かをご紹介します。
~目次~
・金属盗対策法(きんぞくとうたいさくほう)とは?
・金属盗対策法が定められた背景
・金属盗対策法の概要
・編集後記
金属盗対策法(きんぞくとうたいさくほう)とは?

金属盗対策法の正式名称は 「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」で、盗まれた金属物品の流通を阻止し、窃盗そのものを抑止するために作られました。この法律に定めた届出や手続きは、各都道府県の警察署が窓口となります。
金属盗対策法が定められた背景

太陽光発電設備に使われている銅線ケーブル、道路に設置されたグレーチング(=金属製の格子状の蓋)や、マンホールなどをはじめとする金属物品の盗難が全国で増加しています。警察庁の公開情報によると、令和6年の金属物品の盗難被害額は約140億円にのぼっています。令和6年の金属物品盗難の認知件数は20,701件で、令和2年の認知件数と比べて約4倍に増えたとのことです。
北海道、茨城県、千葉県、大阪府等を含む約17の自治体が、金属物品(古物営業法の対象品を除く)の買受け時の、取引相手の本人確認や記録の作成を条例によって義務づけています。一方、こうした規制を設けていない地域では、本人確認をされることなく金属物品を売却できるため、盗品由来の金属物品の流通を容易にしてしまうことが問題になっていました。こうした状況を踏まえ、全国的な規制として金属盗対策法が制定されました。
金属盗対策法の概要

金属盗対策法が定めた責務の対象者とその内容は大きく分けて3つあります。
1つ目は、盗難を防止する必要性が高い金属物品が「特定金属くず」に定義され、特定金属くずの買受けを行う事業者に都道府県の公安委員会(受付窓口は警察署)への届出と買受け時の相手方の本人確認などが義務付けられたことです。これは今年6月1日に施行されました。残りの2つはすでに令和7年9月1日に施行されています。3つの内容を下の表に整理します。
なお、1つ目の特定金属くず買受業の届出の具体的な手続きについては、お近くの警察署または都道府県の公安委員会にお問合せください。

出典:警視庁「 金属盗対策法概要」、e-Gov法令検索
編集後記
高値で取引される金属物品を換金目的で盗み出し、正規のスクラップ事業者に持ち込んで現金化するという犯罪行為が近年増えている最大の理由は、世界的な金属資源の需要拡大等が原因で、金属価格が著しく高騰したためです。金属の盗難は日本のみならず、世界でも起きています。 2024年2月に、金属目的の窃盗団がドイツの鉄道網を襲撃し、一時的に高速鉄道の運行を麻痺させた事件がありました。また、驚いたことにインドでは、川にかかった鉄橋が丸ごと盗まれた事件が2022年4月に報道されています。 日本では、金属盗対策法の施行によって、今後、金属物品の盗難件数が減ることを期待したいです。
最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2026.6
出典:
ドイツ国営放送局 Deutsche Welle
インドのニュースチャンネル Times Now
※本記事の掲載画像は生成AIによるイメージです。
令和8年6月30日
株式会社リーテム
サーキュラーエコノミー推進部
杉山 里恵
(図)加藤 翠
リーテムのサービスのご紹介

太陽光パネル再資源化サービス
https://www.re-tem.com/service/solar-panel/
広域認定申請支援サービス
https://www.re-tem.com/service/circular-support/
コラムの更新をお知らせします!
コラムの更新やサービスに関するお役立ち情報をお知らせする
メールマガジン(月1回程度)を発信しています。
配信希望の方は「お問い合せ」をクリック!
項目から「メールマガジン配信希望」を選んでください。
お問い合わせ