最新のコラムは以下にアップされておりますので、合わせてお読みいただければ幸いです。
https://www.re-tem.com/ecotimes/column/fron_4/ (2015.5.7)
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今回のコラムでは、前回、前々回に引き続き、改正フロン法であるフロン排出抑制法についてご紹介します。
今回は、4月以降新たに加わる伝票、証明書となる充填証明書、回収証明書、並びに再生証明書、破壊証明書についてご紹介します。
ですが、一般的な情報の、環境省、経産省などが発信している情報をそのままお伝えしても面白味がないため、「管理者」目線に立って、どの証明書がどのような場面で業者から返ってくるのか、またそれを保存する義務ははたしてあるのか、などなど「管理者」が何をすべきなのかについて詳しくご紹介することにします。
その前に、そもそもこの改正フロン法の一番重きを置いた改正点がどこにあるのか、その詳細に入る前の前段の情報をまず始めに簡単に整理します。
◇一番重きを置いた改正点・・フロン機器“使用時”のフロン漏えいの防止
◇そのための対策①・・・・・フロン機器の点検(簡易点検、定期点検)
◇そのための対策②・・・・・漏えい判明時の修理しないままの充填の原則禁止
これらからもわかるように、今回のフロン法改正は、使用時の漏えい防止とその対策、つまりはフロン機器の“修繕”を義務化して規制をかけたというところに重きを置いています。
従い、フロン機器を“廃棄”する、というところはそれほど改正されてはおりません。
というところを踏まえて、“修繕時”、“廃棄時”においての各証明書の役割なども含めてご説明します。
“修繕時”に業者から返送される証明書
フロン機器の定期点検や、その機器の修理の必要がある場合には、多くは専門の業者に依頼することになると思われます。その際の業者から返送されてくる各証明書は以下のものがあります。
- 充填証明書・・フロンを業者が充填した場合
- 回収証明書・・フロンを業者が回収した場合
- 再生証明書・・フロンを業者が回収し、再生業者に引き渡して再生された場合
- 破壊証明書・・フロンを業者が回収し、破壊業者に引き渡して破壊された場合
という最大4つの証明書が業者より返送されます。(最大4つというのは法律上求められているものに限ってのこと)
“廃棄時”に業者から返送される証明書類
フロン機器を廃棄するときは、これまでと同様に、フロン回収行程管理票を使用します。よってこれまでどおりこの行程管理表のE票などが返送されてきますが、それに加えて以下の証明書が今後は返送されてきます。
- 再生証明書・・フロンを業者が回収し、再生業者に引き渡して再生された場合
- 破壊証明書・・フロンを業者が回収し、破壊業者に引き渡して破壊された場合
- 行程管理表・・これまでどおりですが、F票の記載の一部が変更されます
以上の修繕時、廃棄時を整理すると、充填証明書、回収証明書は、修繕時のみであり、廃棄時には返送されないということになります。なぜなら、廃棄時はフロン回収行程管理表でフロン回収量が明らかになるからという理由によるものです。
次に、これらの各証明書の意味するところ、それぞれの保存の義務の必要性についてご紹介します。
「管理者」の 保存義務 |
備考 | |
充填証明書 回収証明書 |
なし | これらの証明書は、証明書としての保存義務はないが、点検記録簿の代わりにする場合は、保存の必要性あり |
再生証明書 破壊証明書 |
なし | 保存義務はないが,この証明書の意味は、再生された、破壊されたということを確認するための証明書 |
漏えい量の算定
漏えい量の算定は、充填証明書・回収証明書の充填量、回収量の差を基として算定します。
従い、充填しなければ漏えい量は算定しなくてもよい、ということになるかもしれませんが、定期点検の義務があり、1年ごと、3年ごとに7.5kw以上のものは点検が必要になりますし、簡易点検での漏えいしている危険性がある場合には、修理などの必要性が生じます。
漏えい量の報告
漏えい量が法人単位で1,000co2t以上になった場合は、国に報告する義務があり、その報告内容は都道府県より自動的にインターネットなどで公表されることになります。国では2,000の事業者程度から報告があがってくるのではないかと推測しているようです。
なお、漏えい量の報告にあたっては、例えば年度末にフロンの残存量がどれほどあるのか確認する必要はありませんので、その点ご注意ください。
また、本改正はフロン含有機器の買い替えなどを求めているものではないこともご注意ください。悪質な業者はそのように営業しているとの話も聞きますので、誤解のないようご注意願います。
なお、経産省、環境省によると、3月中旬にこれらを纏めた「手引き」的なものを発行する予定にしているとの話もありますので、その手引きが皆さんの業務や社内への周知に役立つのではないかと期待しています。
平成27年3月3日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)池田翠