売れ残りビールの再生

コロナ禍で営業自粛や時間短縮をする飲食店で売れ残った生ビールを、賞味期限の無いジンに再生することができるそうです。食品ロスを減らす効果もあるこの取り組みを昨年ある企業が行いました。

 

SAVE BEER SPIRITS(セーブ・ビア・スピリッツ)プロジェクト

新型コロナウイルスの感染拡大防止で、営業時間の短縮や休業を求められる飲食店舗が抱える悩みの一つは、仕入れたビールを全て売り切らないうちに、賞味期限が来て折角のビールの在庫を無駄にしてしまうことだったそうです。

1823年から酒造りをしている木内酒造さんは、昨春に、飲食店で売れ残った未使用の生ビールを受け取り、蒸留して「ジン」に造り変え、その飲食店に送り返す「SAVE BEER SPIRITS」(直訳:ビールを救うスピリッツ)という取り組みを行いました。2020年4月の発表時には、首都圏の他、愛知県や沖縄県などの遠方から2週間で約20件の申し込みが来て、同年6月には約30,000Lのビールが集まりました。

自社商品の納品先である飲食店の多くが困っていることを知り、何か役に立てることは無いかとの思いから始めたプロジェクトです。希望する飲食店や輸入業者等は、20L以上の未使用の樽入り生ビールを送ると、 750ML入りの瓶か缶、もしくはサーバーに入れた発泡性のジンカクテルのいずれかを返送してもらえるというものです。飲食店は往復送料のみを負担し、蒸留と容器詰めは木内酒造さんが無料で行いました。100Lのビールから8Lのジンを製造することが出来るそうです。

【ご注意】2021年現在は、ビールの引取りはされていません。

 

ビールからジンを造る

大半のジンの製法では、大麦、ライ麦、小麦などの穀物を発酵させてジンの素になる中性スピリッツを造りますが、ビールを使ってジンを造る場合は、この中性スピリッツの代わりにビールを用いることで、発酵の過程を省略し、蒸留を行うのだそうです。ビールから造るジンには苦味があるそうですが、木内酒造さんではジュニパーベリーと、山椒、レモン、夏みかん等、かんきつ類の香りでその苦味を和らげるといいます。

スピリッツとは?

蒸溜酒全般を指す名称。日本ではウイスキー、ブランデー、焼酎を除く、エキス分2%未満の蒸溜酒をスピリッツと分類している。一般的にはジン、ウォッカ、ラム、テキーラを指す。

 

世の中のための工夫や労力を惜しまない企業を応援したい

商品を買う時に、商品の生産、加工、販売の工程における環境負荷が出来るだけ少ないものを選んで買うことを「グリーン購入」や「グリーン調達」と言います。グリーン購入法に定められた基準を満たした商品には、環境負荷の少ない商品として第三者機関が認定した印である「エコマーク」が付いて売られています。「エコマーク」の付いた商品を選ぶことは、消費者としての1つの選択です。

わたしは、資源の無駄を減らすという考え方に加えて「困っている誰かのために」という視点で、工夫や労力を惜しまない木内酒造さんのような企業を応援したいと感じます。

 

木内酒造さん店舗等のご紹介

木内酒造さん直営の販売店は、茨城県那珂市にある本店の他、水戸市内、東京丸の内、神田、品川にあり、お酒とお料理を一緒に楽しめるお店も営業しています。世界30ヵ国以上で親しまれているふくろうのイラストが目印のクラフトビール「NEST BEER」、清酒 菊盛、国内最大の梅酒コンテストで一位に輝いた梅酒等々、豊富な種類が揃っているようです。

季節限定の吟醸酒や、春のうららかな休日の昼間に合いそうなクラフトビールを選びにお店に足を運んでみてはいかがでしょう?

木内酒造
http://kodawari.cc/restaurant/restaurant.html

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2021.3

令和3年3月23日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

 

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