排出事業者の不用品の引き渡し先の選定理由について

■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  民泊のゴミを不法投棄(5月31日)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先日の5月31日、京都市内の「民泊」を運営している不動産会社と、その従業員などの3人が不法投棄の疑いで書類送検されました。

記事によると、ゲストハウスや民泊施設から出たワインやカップ麺の容器などの事業ゴミを、他のマンションのごみ集積ボックスに捨てた疑いとのことです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170531-00000009-kyt-l26

 

<排出事業者の不要品の引き渡し先の理由・・>

さて、前述の事案からは産業廃棄物と一般廃棄物の区分の問題と、不法投棄という両方の問題があるのは言うまでもないですが、少し見方を変えて、排出事業者が不用品の引き渡し先を選定する理由を少々見てみたいと思います。

以下は、環境省が平成27年度に調査した選定理由のデータです。

http://www.env.go.jp/recycle/circul/reuse/confs/rep27-4.pdf

 

 

これを見て少し安心したのですが、「処理費が安価である」という理由で選定している排出事業者は12.7%程度しかいないのです。(おそらく冒頭の民泊の会社は産廃業者にもし引き渡ししていたとしても、この処理費の安価を選ぶのではないかと容易に想像できますが・・)

 

上位ベスト3を列記すると、
1.
法令順守、適正処理が可能である(不法投棄を行わない業者である)。・・22.9%
2.
新品を購入した際に、そのメーカー・販売店が引き取ってくれる。・・18.4%
3.
普段からよく利用している取引業者である。・・16.4%

 

さて、皆さんは、この中のどれに当てはまりますでしょうか?
読者のみなさんが処理業者とお付き合いされる際に絶対忘れてはならない言葉があります。

 

「安かろう、悪かろう」

 

1年以上の前の社会問題化された事件で、大手カレーチェーンのビーフカツの横流しがありましたよね。あれは、ダイコーという産廃業者が横流ししたという事案からも言えるように、この業界とお付き合いされる場合は、「安かろう、悪かろう」という言葉は絶対的に忘れてはならないものと思われます。

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。

ニュースレター 2017.6

 

平成29年6月5日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)加藤翠