読み解く!廃棄物処理法(17) ~委託先監査(1)、環境教育~

お久しぶりのコラムです。(コラムの間隔が開いてしまったこと、お詫びいたします。)
月に一回(できれば月に2回)はアップしていきたいと思います。引き続きのご愛読の方よろしくお願いいたします。

今回のコラムでは、この夏のイベントとして、環境教育的な催しが各地でそれぞれ開催されますので、それらの情報のいくつかのご紹介、またその環境教育的な観点で(むりくりの類似かもしれませんが)産業廃棄物の処理業者に対する委託先監査について少しご紹介していきます。(実際に、弊社のお客様の中には、環境教育や社員研修のひとつとして、弊社の処理工場に見学に来られる方も多くいらっしゃいます。)

委託先監査の必要性

排出事業者の中には、日々の業務の忙しさということもあり、またその監査にかかる経費などの抑制ということで、なかなか監査に行けない状況にあるということが数多く聞かれます。
ですが、その監査を怠っているとどうなるか・・

・不適切な処理業者というのを知らずに、処理委託をし続けるということに
・過剰保管されたものが野積みされ、不法投棄扱いということで、措置命令処分に
・それらのことが新聞記事にもなり、社名が公表される事態に

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◇中間処理業者による廃棄物の過剰保管

廃棄物処分業(中間処理)の許可を有するB事業者が、中間処理施設(破砕施設)敷地内に、平成10年頃から廃棄物(中間処理前及び中間処理後のもの)を不適正に保管(自動車等破砕物等を約9,500㎥(面積約2,000㎡、高さ約4.5m))。
改善命令を発出中。屋外で容器によらず積み上げてあり、飛散・流出・崩壊、発火などのおそれがある。

 

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◇収集運搬に伴う積替保管の問題事例

収集運搬業者B社が、廃プラスチック類等を、約1年間にわたり、積替保管施設において、不適正に保管(約9300㎥、面積1500㎡、高さ14m)。
県は立入検査による発覚後、適正処理及び撤去する旨行政指導したが、改善が進まないばかりか、さらに約4000㎥積み上げ、不適正な状態が継続・悪化した。
屋外でうずたかく積み上げられており、囲いの破損等も見られ、廃棄物の飛散、流出、崩壊、火災発生のおそれがある。

◆環境省サイトより
http://www.env.go.jp/council/former2013/03haiki/y0320-09/mat03-05.pdf

実際によくある事例

前述などの事例は、環境省から発信されている情報であり、ただの脅しではないかとついつい見てしまいますが、これらの話は実際によく聞きます。

本コラムは、不特定多数の方が閲覧できますので、具体的なケースのご紹介は控えておきますが、実際に多数の排出事業者が悪質な処理業者に巻き込まれており、措置命令の対象となったり、社名公表も多くされてしまっております。

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最悪なケース(リスク)をヘッジするために

これらの悪質な処理業者に巻き込まれないためにも、委託先監査は必要となります。
この委託先監査の必要性の代表例としては以下のとおりです。

・適正な処理業者に委託しているかの確認
・処理方法が妥当で、最終処分までの管理がなされているかの確認
・処理業者の場内での保管が過剰ではないか、野積み状態になっていないかの確認のため
・野積み状態となっている場合には、不法投棄の恐れがないか、そう看做されないか
・もし不法投棄が行われた場合の排出事業者責任の履行のため

※野積みとは・・
野積みとは、廃棄物の保管を適正に行うことなく、高さや保管区域の制限を守ることなく、単に屋外に乱雑に置かれた状態のこと

今夏の環境教育的な催し(イベント)

今年の環境教育的なイベントとしては、以下のようなものがあります。
やはりこれからの次世代を担う子ども中心のイベントが多いのですが、お子様のいらっしゃる親御さんにおかれてはぜひご一緒に参加されてはいかがでしょうか。

◇子ども霞が関見学デー(内閣府、環境省、経産省、総務省、文科省、厚労省、国交省など)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/07/02/1394257_01.pdf(PDF)
~東京都(霞が関)~

◇白神山地子ども自然体験キャンプ(環境省_東北)
http://tohoku.env.go.jp/pre_2014/0625a.html
~青森・秋田県~

◇平成26年度 学校の森・子どもサミットプログラム(学校の森・子どもサミット実行委員会)
http://www.gakkou-no-mori.org/program.html
~東京都(外苑、信濃町)~

◇夏休み子ども環境体験教室(神奈川県環境科学センター)
http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/learning/event/event.html
~神奈川県(平塚)~

◇夏休み環境科学教室(川崎市)
http://www.city.kawasaki.jp/300/page/0000058881.html
~神奈川県(川崎)~

◇夏休み子供科学研究室 -身近な環境を科学しよう!-(富山県環境科学センター)
http://www.eco.pref.toyama.jp/oshirase/oshirase26.html#3
~富山県内~

◇夏休み昆虫教室(独立行政法人 森林総合研究所)
http://www.ffpri.affrc.go.jp/event/2014/20140802konchuu/index.html
~茨城県(つくば市)~

◇みんなで温暖化ウォッチ セミのぬけがらを探せ!(長野県環境保全研究所)
http://www.pref.nagano.lg.jp/kanken/jisseki/koza/gakushukoryu/documents/h26fy_nukegara_chirashi.pdf(PDF)
~長野県内~

◇なごや生物多様性サマースクール2014(なごや生物多様性保全活動協議会)
http://www.bdnagoya.jp/calendar/symposium.html
~愛知県(名古屋市)~

◇夏休み環境学習講座(愛知県)
http://www.pref.aichi.jp/0000073339.html
~愛知県内~

◇アジア大気汚染研究センター 一般公開 2014(一般財団法人 日本環境衛生センター)
http://www.acap.asia/acapjp/event/study/photo/acap_openhouse2.pdf(PDF)
~新潟県(新潟市)~

◇のうかんけん夏休み公開(独立行政法人 農業環境技術研究所)
http://www.niaes.affrc.go.jp/event/2014/
~茨城県(つくば市)~

◇夏休み 多摩川教室(多摩川流域協議会(国土交通省関東地方整備局ほか)
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000106425.pdf(PDF)
~東京都(調布市)~

◇国立環境研究所 夏の大公開 -さあ漕ぎ出そう、エコ世界への大冒険!-(国立環境研究所)
http://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20140612/20140612.html
~茨城県(つくば市)~

◇平成26年度 環境の村事業(NPO法人 当別エコロジカルコミュニティー)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ksk/mura/gaiyou.htm
~北海道内~

◇神戸市環境教育のイベント(神戸市)
http://www.city.kobe.lg.jp/life/recycle/education/event/
~兵庫県(神戸市)~

 

以上のように、排出事業者様におかれては社内においての廃棄物管理も当然大事なことですが、処理委託先の監査や、社外で多く開催されている環境に関する情報を集めにお出かけされてはいかがでしょうか、ということでご紹介させていただきました。

次回は、今回のコラム内にもありました、処理業者での不適正処理や野積み、不法投棄がなぜ行われるのか、などをご紹介していきたいと思います。

平成26年7月8日
株式会社リーテム
マネジメント推進部
坂本裕尚
(図)池田翠