雑品スクラップ(有害使用済機器)に関する法改正

電気電子機器等の雑品スクラップ(有害使用済機器)については、バーゼル法対応、中国での輸入規制、国内での相次ぐ火災事故などを受け、来春4月に法改正が施行される予定ですので、その方向性についてご紹介します。

(この情報は環境省の審議会での資料や、電話での問い合わせの情報ですので、あくまで方向性であり、確定情報は政省令でご確認いただければと思います。)

<環境省>有害使用済機器の保管等に関する技術的検討会(第4回)の開催についてhttp://www.env.go.jp/press/104810.html

有害使用済機器の指定

廃棄物を除いて、いわゆる“有価物”となる以下の機器

①家電リサイクル法対象品目(家電4品目)

②小型家電リサイクル法対象品目(小型家電28品目)

③これらと機能及び効用が著しく類似している他の機器

有害使用済機器の「保管」基準

有害使用済機器の内部には、有害物質や油などが含まれており、飛散、流出、火災のおそれがあるため、以下のような保管が必要になります。

①囲いの設置

②保管ヤード付近の掲示板の設置③土壌・地下水汚染防止

④保管の高さ5m未満

⑤飛散流出に関する必要な措置

⑥生活環境の保全、公衆衛生の保全等

⑦火災・延焼防止

有害使用済機器の「処分」に係る基準

処分を行う場合は、飛散、流出、騒音、振動、悪臭等の防止、周辺の生活環境保全支障がないような措置を講ずる必要があります。

①飛散流出防止 ②騒音・振動等の防止 ③火災防止等

処分の一例(対応例)

破砕の場合
・爆発などの防災対策
・集塵機なども必要?!

圧縮・せん断
・周囲に防音壁
・鉄筋コンクリートの床面

溶断
・容器内部に危険物がないことを確認
・容器内部の換気又は不活性ガスによる置換  など

④維持管理

保管又は処分について、以下の帳簿を作成して備え付け。

・機器ごと
・引取先
・引取量
・取扱い方法(解体、処分)
・引渡先
・引渡量  など

有害使用済機器の保管等に関する「届出」手続き

有害使用済機器の保管又は処分を業として行おうとする者(産廃業者などは除く)は、管轄する都道府県知事に届け出なければならない。

「申請」に準ずる届出内容は以下のとおり。

・申請者の基本情報(氏名、名称、住所など)
・事業一般(所在地、事業計画、事業場面積、付近の見取図など)
・保管する機器、保管量上限、高さ上限、保管場所の面積、構造、図面など
・処分する機器・数量、処分方法、施設の種類・数量、設置場所・構造など

※産業廃棄物処理業者は、この保管、処分にかかる基準以上のことを満たしているものと看做されるからか、このルールは適用されないとの方向性らしいです。

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター 2017.12_extra

平成29年12月19日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)加藤翠