令和4年版環境白書『勝負の10年』『脱炭素ドミノ』

6月7日に環境省は、令和4年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書を発表しました。2030年までを「勝負の10年」として、国内外で「脱炭素ドミノ」を起こすため、「脱炭素」「循環経済」「分散・自然共生」の3つのアプローチから、国民一人ひとりが当事者としてグリーン社会の実現を目指そうと呼び掛けています。

 

環境白書とは?

環境白書とは、環境省が国会へ提出する年次報告書です。環境問題の全体像を分かりやすく示すため、平成21年版からは、環境白書、循環型社会白書、生物多様性白書の3つの合本になっており、前年度の状況と次年度の施策がまとめられています。冊子や電子書籍の形式で購入も可能ですし、環境省のサイトにPDFが掲載されています。

広く国民に知ってもらうため、可愛いイラストでわかり易く説明した子供向けの環境白書も発行されています(最新版は、平成31年2月発行)。
※こども環境白書 https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/kodomo.html

 

令和3年度の環境の状況

令和4年版の環境白書(概要)の第1部に、令和3年度の環境の状況と保全に関して講じた施策がまとめられています。ご関心のある方はアクセスしてみてください。本コラムでは、そのほんの一部をご紹介します。
https://www.env.go.jp/content/000039238.pdf

 

2030年に向けた国民ひとりひとりによる3つのアプローチ

令和4年版白書は、2030年に向けたターゲットとして「脱炭素」「循環経済」「分散・自然共生」という多角的でありながら互いに影響し合う関係にある3つのアプローチを掲げています。

2030年を目標の年にしているのは、2021年に世界の国々が参加した気候変動サミットで、 「2050年カーボンニュートラルに向けて、2030年度に温室効果ガス2013年度比46%削減、さらに50%の高みに向けて挑戦する」ことを日本が宣言したためです。

令和4年版環境白書の刊行にあたって、山口環境大臣は、2030年までの10年間は「勝負の10年」であるとの意気込みを持って、国内外で「脱炭素ドミノ」を起こしていくと表明しています。

 

脱炭素先行地域 第1弾 26地域

「脱炭素先行地域」 とは、2030年度までの地域脱炭素の実現と地方創生を目指すモデル地域のことです。先行モデルを作り、全国に広げるための「脱炭素ドミノ」の起点にすることが狙いです。環境省は今後、年2回程度の募集を行い、2025年度までに少なくとも100ヶ所を選定することを目指しています。

今年1月に実施した「第1回 脱炭素先行地域公募」に、共同提案を含む102の自治体から79件の応募がありました。予め公表された「脱炭素先行地域づくりガイドブック」の基準に照らして評価され、先進性、モデル性、実現可能性において優れた26の計画提案が第1回脱炭素先行地域に選ばれました。選定された自治体は、毎年度、取組の進捗状況を環境省に報告し、これを評価委員会が評価分析し必要に応じて助言を行うとのことです。

 

編集後記

脱炭素に向けた取組みを大手企業だけでなく、日本の各地域が本気で始めていることを知りました。第1回の脱炭素先行地域に選ばれた地域の取組みについて、今後の本コラムで紹介したいと思います。また、食品ロス問題など、自身の意識を変えることで目標達成のために直ぐにでも参加できるテーマがあることも認識しました。小学生のお子さんをお持ちの方は、今年の夏休みにお子さんと一緒に「こども環境白書」を開いてみてはいかがでしょうか?

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2022.6

令和4年6月29日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

 

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