「水銀」、「PCB」の特別管理廃棄物に関する規制について

本コラムをご愛読いただきありがとうございます。

本年も引き続き、廃棄物の排出事業者の有益となる情報をお伝えするよう、わかりやすく、かつ明快に解説してまいりますので、引き続きのご愛読の方、どうぞよろしくお願いいたします。

年明け第一弾のコラムは、年末にかけての特別管理廃棄物と関係するような「水銀」、「PCB」などの法改正情報や今後の情報、また水銀を含む「蛍光灯」などについては皆さんの事業場や家庭でも多く使用されているものと思われますので、それらの動向についてご案内します。

水銀を含む「蛍光灯」の取扱い

会社や家庭で使用されている「蛍光灯」に水銀が使用されており、適正なリサイクルが必要となります。形は様々で、管状管形、直管形、ボール形、コンパクト形など、様々な種類の蛍光灯があります。

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<question>

さて、これらの蛍光灯の多くには水銀が含まれておりますが、果たして特別管理産業廃棄物もしくは特管の一廃として取り扱う必要があるのでしょうか?

<answer>

答えは、NOです。普通物の産廃もしくは一廃となり、特管ではありません。

今回水銀が特管に指定されたのは、”廃蛍光灯を処理した後”に分別された「廃水銀」が特管として指定されました。
従い、これからも皆さんの会社から排出される廃蛍光灯などについては、これまでどおり普通物の産業廃棄物としての処理委託でOKとなります。
その処理委託を請け負った中間処理業者が処理した後の廃水銀が、特別管理廃棄物として扱われる、ということになります。

◇廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令の閣議決定について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/101621.html
(平成27年11月6日)

PCB廃棄物の今後の動向

PCB廃棄物の処理期限は実質のところ10年を切っているのが多くあるため、環境省ではPCB特措法を改正する方向で検討会を行っております。

その内容としては、大きく2つ。

(1)PCB使用事業者の都道府県市の把握などのための報告徴収や立ち入り検査の検討

現在はPCBの機器が使用されなくなったもの、つまりはPCB廃棄物となり、PCB機器を保管している保管事業者に対しては、都道府県市に対して保管の届け出を義務付けているが、使用中の機器のみの事業者に対してはPCB特措法では義務化していないため把握できない状況である。
そこで今後は、使用中の機器の届け出も義務化される可能性もあり、さらに、使用中の掘り起しのため都道府県市が報告徴収や立ち入り検査を行うことができるようにすることが検討されている。

(2)処理期限に間に合うよう一定の期限を設けてその使用廃止の義務化など必要な措置の検討

処理期限に間に合うよう、特に高濃度のPCB使用製品については、一定の期限を設けてその使用廃止を義務付け、処理期限内に、確実に廃棄物として処理が行われるよう必要な制度的措置を検討する必要がある、としている。

◇環境省 第15回PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会議事次第・資料
http://www.env.go.jp/recycle/poly/confs/tekisei/15pcb.html
(平成27年12月11日)

冒頭のご挨拶と重複するかもしれませんが、今年も皆さんの企業におかれては廃棄物の管理や適正な処理がされることが執筆者として喜びとなりますので、引き続き適正処理のためのツールとしてご愛読いただければ幸いでございます。

また、弊社においてもPCB廃棄物の適正処理かつ効率的かつコスト減となる「PCB廃棄物処理支援サービス」を用意しております。

 

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

平成28年1月7日
株式会社リーテム
法務部
坂本裕尚
(図)池田翠