4月22日はアースデイ(地球の日)

4月22日は「アースデイ」です。 2008年のリーマンショック以来、約11年ぶりに新型コロナウィルスショックにより世界経済が苦境に立たされている現在、多くの人にとって、地球環境への関心度は低いかも知れませんが、あえて今月は「アースデイ」の成り立ちを紹介します。

アースデイ(地球の日)の始まり

1970年4月22日に、米国上院議員であったゲイロード・ネルソン氏が環境問題の討論集会の開催を構想し、当時全米学生自治会長をしていたデニス・ヘイズ氏がネルソンの構想に協力して全米に呼びかけ、集会を成功に導きました。約2000万人がアースデイの活動に参加したと言われます。

更にこれがきっかけのひとつであったのか、1970年7月に米国に環境保護庁が設置されました。以来4月22日のアースデイ集会という運動は世界各地に広まりました。今年は50年という節目を迎え、現在では、世界最大級、地球規模の環境ムーブメントとして知られています。

青くて丸い地球の写真が「アースデイ」発祥の立役者?

レイチェル・カーソンの『沈黙の春』が出版された1962年以降、徐々に高まりつつあった人々の環境への関心が、更に大きくなったのには、きっかけがありました。最初のアースデイが始まった1970年4月から遡ること15ヶ月前に撮影された地球の姿です。

1968年12月24日にアポロ8号の宇宙飛行士が月から昇る地球の姿「アースライズ(地球の出)」を撮影しました。人類が地球を外から見たのはこのときが初めてだそうです。これは「史上最も影響力のあった環境写真」とも言われています。地球が青くて美しい姿をしていることを人類が知ったのは、今からわずか52年前のこととは驚きませんか。

日本におけるアースデイ(地球の日)のイベント

日本では、1990年に初回のアースデイが行われました。驚くことに、日本の銀座で歩行者天国が始まったのも、アースデイがきっかけだったそうです。最初は地球環境を守るため、また急増していた自動車事故を減らすための、自動車のボイコットとしてのアクションだったようです。

東京では、毎年4月22日のアースデイの前後の土日、代々木公園を中心に「アースデイ東京」が開催されています。他にも、北海道、千葉、湘南、富山、石川、長野、大阪、沖縄など全国各地でアースデイのイベントや企画が幅広く実施されています。

今年のアースデイ東京は、新型コロナウィルス感染拡大予防のため、4/18-19の週末にオンラインで開催され、音楽コンテンツや環境活動家や有識者によるトークプログラム、アースデイの成り立ちを紹介したコンテンツ等が配信され、オンライン飲み会が開かれました。

新型コロナウィルス対策で大気汚染物質が一時的に減っている

新型コロナウイルス感染防止のための外出制限や生産活動の停止が、地球環境改善に寄与しているかも知れません。

今年3月2日にNASA(米国航空宇宙局) が公開した衛星画像によると、中国の武漢から始まった感染拡大で全国的な移動制限や生産活動の制限を行った結果、黄色や濃茶色が示す高濃度地域が消えて、大半が100μmol/m2以下に下がったのです。

二酸化窒素は、自動車や航空機の排気ガスや工場の排煙など高温燃焼に伴って発生する有害ガスです。二酸化窒素の濃度が低下したということは、地球温暖化の主因とされるCO2やPM2.5なども減少したと考えられます。

中国大陸で大気汚染物質が減少し、越境汚染が低下したこと等により、日本でも3月の大気がきれいになっているそうです(㈱ウェザーニュースの解析結果)。 欧州宇宙機関(ESA)の公開した人工衛星の画像によると、イタリアでも二酸化窒素排出量が激減したとのことです。

編集後記

人口衛生の画像は、人間の活動制限が地球環境に好影響を及ぼしていることを如実に語っていますね。新型コロナウィルスがめでたく終息した後、人々の行動は地球と共存するためにどう変わって行くのでしょう。

 

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2020.4

 

令和2年4月27日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

リーテムのサービス紹介

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