増え続ける 電池火災

家電製品に非純正のリチウムイオン電池を使用することによる火災事故が増えています。その他にも、何年も前から報じられている、モバイルバッテリー、スマートフォン等が由来の火災事故も無くなる気配がありません。使用済みのリチウムイオン電池に発火の危険があることはご存じのとおりです。消防庁や自治体、関係する業界団体等が注意喚起を続けています。

 

いまだ増え続けるリチウムイオン電池の火災事故

東京消防庁によると、リチウムイオン電池から出火した火災が東京都内で相次いで起きています。2021年1~9月の間に90件発生しており、前年1年間の件数(104件)を上回るペースで、5年前に比較すると2倍に近づく勢いです。

過去に独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)が発表した情報によると、2013 年から 2017 年の 5年間にリチウムイオン電池内蔵製品の事故は 582 件ありました。2018年2月 に経済産業省は、通達「電気用品の範囲等の解釈について」を改正し、事故が多発していたモバイルバッテリーを電気用品安全法の規制対象として取り扱うことしました。

各方面からの注意喚起の結果、リチウムイオン電池内蔵製品を使用する個人ユーザーや企業ユーザーの一部の間では、製品が使用済みになった時には、電極にテープを貼って絶縁してから廃棄するという予防策が取られています。 電池のタイプに応じた絶縁処置の方法がこちらのサイトに紹介されています。参考になさってください。
一般社団法人JBRC 「安全処置方法」
https://www.jbrc.com/wp-content/uploads/2020/08/zirei202008.pdf

 

『電池内蔵製品を廃棄する時に注意すること』を本コラムの2019年10月号に紹介しています。ご関心のある方はこちらもご欄ください。
https://www.re-tem.com/ecotimes/column/2019oct/

 

非純正のリチウムイオン電池が危険?

家電製品に使用する電池パックを、予備や交換用に、製品とは別のメーカーが販売していることがあります。製品メーカー自身が販売しているものよりも安価であるという理由で、純正品でない電池パックを購入して手持ちの家電製品に利用する人も少なくないでしょう。

今年5月に住宅で起きた火災では、電動モップに、メーカーが販売している純正の電池でない、他社製のリチウムイオン電池を用いたところ、出火して2人が怪我をしたそうです(東京消防庁)。また、今年10月29日には、経済産業省が、英国大手家電メーカーのダイソン社のコードレス掃除機で使用できる特定の非純正の電池パックについて、充放電をしていない保管状態であっても発火リスクがある大変危険な製品であるため直ちに使用を中止し、鍋や空き缶など金属製の容器に入れて保管して、可燃物に燃え広がらないための措置を講じるようにと、注意喚起しました。当該品は中国製で、日本国内に約1万5000個が流通しているとのことです。

海外製の安価な電池パックの中には、価格を抑えるために過充電を抑えるセキュリティ機能を省いているものがあることが考えられます。

 

増え続けるリチウムイオン電池内蔵製品

リチウムイオン二次電池(充電式電池)は、ニカド電池やニッケル水素電池などと比べて大容量、高出力、軽量という特徴を持つため、スマートフォン、モバイルバッテリー、パソコン、コードレス掃除機、携帯型ゲーム機等、身近にある多種多様な製品に搭載されています。

電源の無い場所でも長時間使用が出来る、使用する際に電源ケーブルが絡むことが無くて可動性が高い等、多くの面で利便性が高いため、リチウムイオン電池を内蔵したコードレス製品は増え続けています。一方で電池由来の火災事故が後を絶ちません。電池火災を減らす手だては無いのでしょうか。

私たちが出来る身近な予防方法は、リチウムイオン電池を内蔵した電気製品を買う時には電気用品安全法で定めた安全検査をクリアしたマーク(PSEマーク)の付いた製品を選ぶこと、また、予備や交換のための電池パックを購入する時には、少し高くても純正品を選ぶこと、そして使用後のリチウムイオン電池については、むやみに解体しない、衝撃や圧力を与えない、もしも破損したり、熱を持っていたり、膨張していたら使用を中止するなど、になるでしょう。

 

編集後記

ユーザーはリチウムイオン電池の危険性を理解して取り扱わないといけないことを、改めて認識しました。ちなみに、電池を冷蔵庫で冷やして保管すると長持ちして良いという話を昔どこかで聞きましたが、冷蔵庫のドアの開閉や取り出した際の温度差で結露が発生し、サビやショートの原因になる可能性があるので、危険だそうです。

最後に本コラムの内容を1枚にまとめたニュースレターを添付しますので、ご参照ください。
ニュースレター_2021.11

令和3年11月26日
株式会社リーテム
サスティナビリティ・ソリューション部
杉山 里恵
(図)加藤 翠

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